ロシアのスタジアムを知ろう①~安全編~
追加 | 筆者 Takaaki Inokuchi | コメント
ロシアのスタジアムを知ろう①~安全編~

スタジアムには早めの到着を! 

FCゼニトで活動を始めて約二カ月、ロシアプレミアリーグ、ヨーロッパリーグ、代表戦、サンクトペテルブルクスタジアムで行われる様々な試合に携わらせてもらいました。その過程で気が付いたことや普段の活動から見えるロシアのスタジアムの見所や注意点を幾つかシリーズでまとめます。 

ロシアのスタジアムを知ろう①~安全編~ 
第一回目は、安全編です。特にスタジアムの警備体制や安全面について、観戦に訪れる皆さんにも関係しそうな点に絞ってまとめました。基本的にはロシアのどのスタジアムでも同じレベルで安全管理体制が敷かれているはずですので、是非皆さん参考にして頂ければと思います。 

スタジアムにはキックオフの1時間前には到着を! 
「安全」についての話のはずなのに、小タイトルがあっていないようですが、実は深い関係があります。327()に行われたロシア代表vsフランス代表戦、DAZNLIVE放送があったのでご覧になられた方もいたかと思います。この試合、キックオフ時のスタンドは空席が目立っていました。最終的には51,000人を超える観客が入り大盛況でしたが、このキックオフ時の“ガラガラ”感は、実は“セキュリティチェック”と関係があります(もちろん、当日キックオフが18:50だったということも理由の一つです)。 

ロシアのサッカーファンの皆さんの特徴(ヨーロッパ全体的に言える部分かとも思いますが…)として、「試合開始直前に来て、試合だけ観て帰る」というのがあります。ただチケットを見せて、スタジアムに入場して…というだけならそれで良いのですが、そうは行きません。そう「セキュリティチェック」です。スタジアムでのセキュリティチェックは、空港とほぼ同じ仕様です。ポケットから全部モノを出して、金属探知機を潜り、全身チェックされ、手荷物はX-線検査機を通し、パソコンがあろうものなら必ず電源が付くかの確認を求められます(パソコンは荷物預け場に預けることを求められる場合もあるので、必要がなければスタジアムへの持参は控えることをおススメします)。もちろんゲートは幾つもあるとはいえ、一度に何千人もの人が来るため一時的に大渋滞が起こります。結果、「キックオフにスタンドに辿り着いていない!」ということにつながるのです。 

解決策の一つがファン・プロムナード 
FCゼニトもそうした状況にただ手をこまねいているわけではありません。もともと67,000人を収容するスタジアム、広大なコンコースもあるため様々な企画を検討していました。そこで、試合前に子供からお年寄りまで楽しんでもらえるスタジアムでのファン向けのイベント(ファン・プロムナード、内容に関しては以前の投稿をご覧下さい。https://jp.fc-zenit.ru/2871/)に一層注力しプロモーションすることで、観客がスタジアムにやって来る時間を上手く調整することに成功しています。一方で、今回の対フランス代表戦ではこうしたファン向けの企画があまり行われていなかったこともあり、通常のリーグ戦やヨーロッパリーグの試合と比べて試合開始時のガラガラ感が目立っていました。

サンクトペテルブルクでは、昨年4月に地下鉄でテロがあるなど「セキュリティ」、「安全管理」は最重要課題になっています。そうしたことも背景にあり、安全を第一に考えたしつこい位のセキュリティチェックが観客一人一人にも行われています。安全で快適な観戦のためにもスタジアムへは是非時間に余裕を持ってお越し下さい!

 

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